大人の問題提起シリーズ さけび(1) (KC KISS)

ももち先生の作品は初期の頃から買っているファンです。今回は大人シリーズ第２弾ということで現代にもありそうなセクハラ、パワハラをテーマにした作品でした。主人公は派遣会社に勤める２７歳の女性です。ある日を境に既婚者子持ちの上司から手を握られる、２人きりで会社の話がしたいからと旅行に誘われるなどのセクハラを受け始めます。主人公はここで騒ぐと周りに迷惑がかかる、職を失ってしまうかも…と思い誰にも言わないようにセクハラに耐え続けます。セクハラがどんどんエスカレートしていくのですがその様子やセクハラを告発した後の周りの対応などもとてもリアルで本当にあった事件を参考にしたかのような描写です。読んでいて途中まではつい怒ってしまいそうになったり主人公があまりにも不憫で泣きそうになってしまったのですが後半の展開を見て「頑張れ…負けるな…」と応援したくなってきたところで１巻が終わります。ももち先生は人間が追い詰めれた時や嬉しい時、居場所を見つけたときの安堵感といった感情の表現の仕方がとてもうまくて、漫画なのにドラマを見ている気持ちになります。（今回の作品は是非ドラマ化してほしい作品です）もともとkindleで買ったのですが、やはり紙でも読みたいと思い紙でも買わせていただきました。今後の展開もとても楽しみにしています。