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エルヴィスから始まった (ちくま文庫)

, 片岡 義男
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無料ダウンロードエルヴィスから始まった (ちくま文庫) pdf - 内容(「BOOK」データベースより) 1950年代半ばに、、カントリー・アンド・ウエスタンにリズム・アンド・ブルースが結合してロックンロールが生まれた。そして様々な新しい出来事が噴出した60年代。全ては一人の男から始まったのだ。ラジオを聞き、心を動かした若者たちにとって、ロックとは何だったのか。

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エルヴィスはロックンロールによって、多くの人たちひとりひとりを物凄く目覚めさせた。目覚めさせること。それもより多くの人たちを、同時に、さまざまな場所で目覚めさせること。エルヴィスが登場するまで、人前でセクシーな格好をすると逮捕されても文句はいえなかった。エルヴィスが登場するまで、黒人のように歌う白人は許されなかった。片岡義男は、この歴史的名著の中の<いつラジオの音量をあげたか>という章で、はっきりとこう書いている。 《くりかえすけれども、ようするに音楽そのものはどうでもよくて、たまたまなにかのロックンロールによって、多くの人たちのひとりひとりが、なににどれだけ目覚めたかということが最も重要なのだ》そして、こんな物語をも書いている。(要約させていただいています)メンフィスの7月、暑い夜。アン・ポウリウヌは、ラジオをつけっぱなしで勉強していた。けれど、ある曲を聴いた瞬間、いてもたってもいられなくなり、ラジオを持って部屋を出て、そっと父親の自動車のカギを持ち出し、クルマを車庫から出した。彼女はラジオの音量をあげながら走った。そして3時間後、道端にクルマを停めていた彼女は、見回りの警察官から「お嬢さん、泣いているけれど、大丈夫ですか?」と言われた。彼女は警官に伝わるかどうかわからなかったけれど、必死で説明した。家でラジオを聴いていたら、物凄く心に響く曲が流れたこと。その曲をどうしてももう一度聴きたくて、近くのラジオ局まで直接リクエストしようとクルマを走らせたこと。そうしたら、3時間の間に、たぶん私と同じような気持ちの多くの人たちからのリクエストで、7回も同じ曲がかかったこと。それをクルマの中で聴いているうちに、涙が流れてとまらなくなったこと。その曲を歌っているのは、エルヴィス・プレスリーという歌手らしいこと……。《へとへとになって車で自宅へ帰る途中、彼女は、自分が今夜何かに目覚めたことを知り、再び感動していた。何に目覚めたのかは、自分でもわからなかったのだが》エルヴィスには、ビートルズやストーンズのような、いわゆる「思想」や「文学性」はない。けれども、エルヴィスの歌を聴くと、物凄く解放された気持ちになる。それはどんな「思想」よりも偉大なことかもしれないと思う。そのことを、『エルヴィスから始まった』は強く、優しく、教えてくれます。BeforeELVIS,therewasnothingbyJOHNLENONエルヴィスの前には何もなかったすべてはエルヴイスから始まったんだよ。ジョン・レノン

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