本気で学ぶ上級中国語（MP3音声なしバージョン ）

表紙をみてわかるように、本気で学ぶ上級というハードルが高そうな文言と、HSK5級中検2級に焦点を当てている違和感がある。本当に上級であればHSK6級と準１級あたりを目指してなくてはならない。結論から言うと、上級者は手をだすべきではないが、まさに中検2級を受けようとしてる人間にとってはいいステップになりそうである。ただし、本文は平易である上に解説はくどい箇所もあり、使い方を工夫すべきである。太い本だがその厚み分の情報量ではない。中検2級を受けようとする人間からすれば、ほとんどは知ってる内容だろう。ただ、読んでいて構成や作り方は良い。文中に出てくる単語に必ず例文をつけており、且つ文法的な要所を解説、更に応用会話で会話文の練習、科目ごとの集中講義と、実際に学校に行って勉強してる感覚を覚える。造りが凝ってる上に8課にまとめられており、一気に勉強することも可能である。中級者の気分をよくするために上級と銘打ってるのであれば企画面から言っても戦略的である。仮に、本当に上級だと思ってるのであれば、変なコダワリがある人の可能性もなくない。実際巻頭の説明ではそういう箇所も見て取れるので、この部分だけみて購入するのを躊躇う人もいそうである。但し、教材としては優秀であることは間違いない。正直、本当の上級の本を出して欲しい。（超上級とかでもいいが）